ご提案書 / Draft v1

生成AIを活用したデータ分析業務の効率化支援

東邦ガス株式会社 技術研究所 データ・分析ソリューションG 御中

発行日
2026年4月28日
提案元
クラスメソッド株式会社
担当
熊谷 俊弘
連絡先
kumagai.toshihiro@classmethod.jp
プロジェクト期間
4ヶ月
2026年5月 – 9月
標準見積(税抜)
740万円
準委任契約 / 計3.5人月
中核ツール
Claude Code
設定/プロンプト中心の構築
アプローチ
HITL
人間とAIの協働

01プロジェクトの理解と基本方針

東邦ガス様の課題を 「未整備データ × 業務知見の暗黙知化 × AI出力のブラックボックス化」 と捉えております。先行PoCで明らかになったフルスクラッチ型・自律エージェントの限界を踏まえ、「AIが全自動でやる」から「AIと人間で協働して分析する」環境構築と、その運用ノウハウの社内移転が、本案件の本質的な解決手段と考えます。

方針 01
Claude Codeを中核ツールとして採用
VS Codeから操作可能なAIコーディングエージェント。RFP 3.2項のIDEライクUI要件に合致。スクラッチ開発を避け、システムプロンプト・CLAUDE.md・Skill・MCP連携といった設定/プロンプト設計のチューニングで要件を満たします。
方針 02
Human-in-the-loop を設計の中心に
RFPの業務イメージ(F1〜F4)で示された「質問・確認リストによるすり合わせ」「コードの直接編集」「方針差し戻しと再実行」は、いずれもClaude Codeの標準的な対話パターンで実現可能。AIに自律させるのではなく、分析官の判断を高速化・構造化する補助役として位置付けます。
方針 03
ハルシネーション対策を「過程の可視化」で担保
Claude Codeはツール呼び出し・ファイル編集・コード実行の全履歴を保持・表示するため、「どんな考えで、どのデータをどう加工したか」が常にトレース可能。analysis_policy.mdmetadata.json等の設定ファイルで、AIの判断を人間が検証できる構造を作ります。

02ソリューションの方向性

2.1全体構成案

中核ツールを Claude Code とし、以下の4階層で構成します。

レイヤー採用要素
実行環境スタンドアロンPC上の Claude Code(CLI + VS Code)
データ・成果物管理ローカルファイルシステム(プロジェクトディレクトリ)
MCP連携(オプション)必要に応じて社内文書検索等のMCPサーバを追加
モデルAPIClaude Max / Enterprise、Anthropic API(直接)または Amazon Bedrock / Google Vertex AI 経由(セキュリティ要件に応じて選択)

2.2業務フロー(F1〜F4)へのマッピング

フェーズClaude Code での実現方法
F1 方針・メタデータ生成プロジェクト直下に依頼書・議事録・Excelを配置。CLAUDE.mdで動作ルールを定義。Skill機能で各タスクの指示を定義。Hook機能で禁止事項発生時にブロック。
F2 コード生成とレビューClaudeがdata_preprocessing.pyを生成 → VS Code上で人間が直接編集 → 「実行して」で再開。
F3 実行と差し戻しBash / Python実行 → 出力グラフ確認 → 自然言語で方針修正指示 → AIが該当ファイルを更新して再実行。
F4 モデリングと最終レポートLightGBM等のモデル構築コード生成・実行、.docx / .html 形式のレポート自動生成。

2.3ハルシネーション・暗黙知対策の具体策

未整備データ環境で精度と信頼性を担保するため、以下の仕組みを組み込みます。

  • Skillの活用:「初期分析」「メタデータ生成」「データクレンジング」などの業務単位でSkillを定義し、東邦ガス様の業務ロジック(主キー結合のルール、データリーケージ回避の観点等)を明文化。PoCで露呈した「業務ロジック理解不足」「曖昧な主キー結合」を構造的に防止。
  • チェックポイント設計:各フェーズの出力をレビューゲートとし、人間の承認なしに次工程に進まない運用とする。
  • 質問・確認リストのテンプレ化:RFPで示された「重要列の特定/不足データ確認/データ粒度確認」のパターンをCLAUDE.mdにテンプレ化し、AIが質問を構造化された形式で出力するよう制御。

2.4セキュリティ対応の方向性

RFP 3.3項に基づき、4経路の構成オプションを比較します。

構成オプション特徴
Claude Max / Enterprise最もシンプル。管理画面から設定が可能。API送信データの学習利用なし。※Enterpriseは最低25シートから(AWS Marketplace経由)。
Anthropic API直結(ZDR契約)Zero Data Retention 契約でAPI送信データの学習利用なし。
Amazon Bedrock 経由国内リージョン(東京)利用可能、AWSセキュリティ枠組みに準拠。
Google Vertex AI 経由既存PoC環境(Vertex AI)との親和性が高い。Claude on Vertex を利用。
RFP重要指定チェック項目への対応方針: データセンター場所(No.26)について、プランに応じて日本国外となる場合があります。必須要件であれば Amazon Bedrock 経由のAPI利用で対応可能ですが、別途APIの準備・各種設定が必要となります。その他、詳細は事前共有のチェックリストにて回答いたします。

03プロジェクトの進め方とスケジュール

2026年5月〜9月の約4ヶ月を、以下4スプリントで進行する想定です。

Sprint 15月
キックオフ・現状理解・環境構築
業務シナリオの詳細化、Claude Code環境の初期セットアップ、CLAUDE.mdとSkillの初期版作成。
Sprint 26月
フェーズ1〜2の実機検証
実データ(マスキング済)を用いたメタデータ生成・方針策定の精度評価。
Sprint 37月
フェーズ3〜4の実機検証
コード実行・モデリング・レポート生成の一気通貫検証。差し戻しサイクルのチューニング。
Sprint 48〜9月
総括・ノウハウ移転・最終レポート
次フェーズに向けた課題整理、最終総括レポート作成。

会議体・コミュニケーション

週次定例 + 隔週ハンズオンを基本想定。東邦ガス様側のご参加人数・体制については、キックオフ前の打ち合わせにて改めてご相談(セミナー形式での対応等、柔軟に対応可能)。

04プロジェクトのゴールと成果物

4.1ゴール

4ヶ月後、東邦ガス様の分析官がClaude Codeを用いて初期分析業務(F1〜F4)を自走できる状態を目指します。具体的には、以下3点が揃った状態です。

Goal 01
工数削減効果の定量評価
Goal 02
自社環境で再現可能なClaude Code動作環境
Goal 03
次フェーズ(本格分析・業務実装)への展開判断材料

4.2主要成果物

成果物概要
業務シナリオ定義書分析業務フローと各タスクの人/AI役割分担
Claude Code 動作環境一式CLAUDE.md、Skills、各種設定ファイル
実機検証レポート定量・定性両面の評価結果
セキュリティチェックリスト適合状況レポートRFP指定項目の対応状況
技術ノウハウ移転ドキュメント運用・チューニングガイド
最終総括レポート課題・残論点の整理

05プロジェクト体制と担当者スキル

本プロジェクトは PM 1名 + エンジニア の体制で推進します(エンジニアの人数は東邦ガス様側の規模・ご要望に応じて調整予定)。Claude Codeを業務で活用するエンジニアをアサインし、東邦ガス様メンバーとの密な協働を確保します。

ロール主な役割スキル・経験
プロジェクトマネージャー(PM) 全体進行管理/東邦ガス様との協議窓口/スプリント計画/成果物レビュー/セキュリティ対応方針の策定 Claude、Claude Cowork、Claude Code を業務において活用。AWS認定ソリューションアーキテクト保有。Amazon Bedrock経由でのClaude活用を含むクラウドアーキテクチャ設計の豊富な知見。
エンジニア Claude Code 環境構築/CLAUDE.md・Skill設計/実機検証ペアリング/デバッグ/ノウハウ移転ハンズオン Claude Codeを日常業務に活用する生成AIエンジニア。CLAUDE.md設計・Skills・Hook機能・MCP連携の実装に精通。スクラッチ開発を行わず設定とプロンプト設計のみで自律エージェントを構築するノウハウ。DevelopersIO にてClaude Code・生成AIエージェント関連の技術記事を多数執筆・公開。

06類似プロジェクトの実績

弊社における類似案件の支援実績を以下に示します(匿名)。

弊社内での Claude Code 全社導入
(Anthropic 公式カスタマーストーリー掲載)

概要弊社グループの関係者 1,000名規模(エンジニア・ビジネス職を含む)を対象に、Claude EnterpriseおよびClaude Codeを全社導入。CLAUDE.md・Skills・Hook機能・MCP連携を組み合わせた業務特化型AIエージェントを設計し、コード生成・レビュー・テスト・ドキュメント生成を一気通貫で実現。
成果機能開発工数が数週間から数日に短縮(Anthropic公式カスタマーストーリーに掲載)。現在600名以上のエンジニアがClaude Codeを日常業務で活用中。累計3,000名以上が参加したClaude Codeセミナーの実施など、技術コミュニティへの知見提供も継続中。
本案件との関連Claude Codeをベースとした Human-in-the-loop の業務協働環境の設計・運用ノウハウを自社で実証済み。CLAUDE.md・Skillsの最適設計について豊富な知見を有しており、本プロジェクトへ直接適用可能。

07費用見積もり

本提案は準委任契約・部分稼働を前提に、以下のスプリント別内訳で費用を算定します。

スプリント 期間 実施内容 PM工数 Eng工数 費用(税抜)
Sprint 15月キックオフ・環境構築0.2人月0.5人月0.7人月148万円
Sprint 26月フェーズ1〜2 実機検証0.2人月0.5人月0.7人月148万円
Sprint 37月フェーズ3〜4 実機検証0.2人月0.5人月0.7人月148万円
Sprint 48〜9月総括・ノウハウ移転0.4人月1.0人月1.4人月296万円
合計4ヶ月1.0人月2.5人月3.5人月740万円

オプション項目 必要に応じて別途追加

項目内容工数費用(税抜)
Bedrock / Vertex AI 経由
閉域接続環境構築
ネットワーク設計、閉域接続用エンドポイント・DNS解決基盤の構築、動作確認、運用ドキュメント整備 Eng 0.7人月 140万円
上記オプションは標準スコープの本見積に含まれません。お客様のセキュリティ要件(クラウドリージョン国内限定/インターネット非経由 等)に応じてご選択ください。

見積前提

項目内容
契約形態準委任契約
稼働想定PM 約20% / 伴走支援エンジニア 約50%(部分稼働)
人月単価PM 240万円 / Eng 200万円
含まれないものClaude / Claude Code 等の SaaSライセンス費・API利用料、AWS / Google Cloud等のクラウド利用料、東邦ガス様側で発生する社内環境整備費。RFP 3.3項に基づき、これらライセンス契約・利用料の支払い主体は原則として東邦ガス様を前提とします。
旅費交通費現地でのハンズオン等が必要な場合は、実費を別途ご相談させていただきます。

08前提条件への対応・想定リスク・要望

RFP 3章「前提条件」に対する弊社の対応可否は以下の通りです。

判定前提条件対応方針
対応可 3.1 プロジェクト期間(2026/5〜9 約4ヶ月) 本提案 3章のスプリント計画と整合。検証品質確保の観点で期間調整が必要な場合は柔軟に協議します。
対応可 3.2 既存汎用AIエージェント活用(スクラッチ開発不可) Claude Codeを中核に、システムプロンプト・CLAUDE.md・Skill・MCP連携のチューニングで要件を満たす方針(本提案書 1章 方針01 参照)。
対応可 3.2 IDEライクなGUI Claude Code を VS Code から利用することで、AIタスク依頼 → 実行 → 人間レビュー・直接修正を同一画面でシームレスに実現。
条件付 3.3 セキュリティチェックリスト適合状況の提示 チェックリストは別途回答。データ管理を国内限定とする場合は契約手段に応じて対応が必要なため、別途ご相談ください。
対応可 3.3 利用環境(自部署手配スタンドアロンPC + 固定IPインターネット) 本提案 2.1項 の構成と整合。
了承 3.3 ライセンス契約・利用料の支払い主体(原則として東邦ガス様) 了承。
了承 3.4 プロジェクト開始後の資料開示 受領後確認し、CLAUDE.md / Skill への反映を進めます。

09次のステップ(提案精度向上のための追加質問)

本提案を確定させるにあたり、以下の事項についてご教示いただけますと幸いです。

A. 技術・環境に関する質問

  1. スタンドアロンPCのスペック・OS・インターネット帯域に制約はありますか。
  2. Claude Codeの利用にあたり、Claudeプラン利用 / Anthropic API直結 / Bedrock経由 / Vertex AI経由 のいずれかに既に選好や制約はありますか。
  3. VS Code等のIDEツールの社内利用可否、および外部MCPサーバの利用可否について制約はありますか。